【精油図鑑】フランキンセンス
- 美央
- 2017年10月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年8月3日
「アロマテラピー」という言葉ができる ずっとずっと前から、
長い間続いている人と植物の歴史。
その中で、
とても古くから登場する植物のひとつが、フランキンセンスです。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。 フランキンセンス
[学名] Boswellia carterii [和名] ニュウコウノキ、ニュウコウジュ
[科名] カンラン科 [種類] 低木
[抽出部位] 樹脂[抽出方法] 水蒸気蒸留法
[主要成分] α-ピネン、l-リモネン、p-シメン、ボルネオール
[香り] 穏やかで透明感のある香り ・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。 精油図鑑 第一回目でご紹介した
オレンジ・スイートの抽出方法は「圧搾法」。
そして今回ご紹介するフランキンセンスは
「水蒸気蒸留法」で得られる精油です。
これは原料を釜で熱し、水蒸気に精油成分を吸着させる方法で、 多くの種類の精油を得るために用いられています。 蒸留のプロセスで、 副産物としてフローラルウォーターが得られたり、 蒸留前とは全く違う成分が現れたりと、
スタンダードかつ、植物の香りの奥深さを感じさせます。
(精油の製造方法について、
アロマフェア八戸実行委員会のコラム 『AROMANotes-アロマまめちしき』でも
詳しくご紹介しています♪)
さて、いまではこうして
蒸留を経て精油が得らるフランキンセンスですが、
蒸留技術が確立する以前から、
「薫香」として宗教的儀式などで焚かれていました。
これは、樹脂や香木などに直接火をつけ
芳しい煙を立ち昇らせる方法。
遡ること紀元前、古代エジプト文明のころのことです。
何千年もの間愛されてきたこの香り。
何千年も前の、誰かが感じた香り。
その別世界のような昔と、いまこのときとは、
確かに ひとつづき なのだということを教えてくれるかのようです。
フランキンセンスは聖書にも登場し、 イエス・キリスト誕生に際して捧げられた香りとしても有名。
このことから、クリスマスシーズンの香りとして 紹介されることも多く、
クリスマスの季節はひつじやでも、
WSで大活躍してくれます。

深く、ゆったりと呼吸したくなる香りで、
古くから祈りの場面に登場してきたことにも頷けます。
不安でそわそわ落ち着かないとき、
気持ちがどこかバタついているとき、
そっと漂わせてみてください。
はるか昔のおごそかな時間を思いながら、
今まで続いてきた、たしかな時間を思いながら、 香りを胸いっぱいに吸い込むように。 (初出:2013.12.24 rewritten&archived:2017.10.1)