2017.11.11(土) 11:00~12:30
「声に出して読みたい『香の詩』」@八戸ブックセンター
詩の中に登場する香りを愉しむ会。
タイトルのとおり、声に出して詩を読みながら、
和やかな時間をご一緒いただきました。
ご参加、まことにありがとうございました。
こちらは「アロマウィーク八戸」の対象プログラムだったのですが、
スタンプラリーを3箇所コンプリートしてくださったお客さまもいらっしゃいました!(*^^)
うれしかったなあ♪
ありがとうございます。
「香りと言葉」について考えるようになって、
もうずいぶん経ちます。
ひつじやが香りと出逢ったのは、
子どものころから大好きだった言葉を、
うまく使えなくなったときでした。
2011年、鬱病の診断を受けたときです。
自分の感情も、周りの状況も、
言葉で表すことができませんでした。
口から出てくるのは泣き声だけでした。
書くことは全くできなくなりました。
香りはそんなとき、
責めるでも励ますでもなく、
ただそっと側にいてくれました。
元気になってひつじやを始めたころ、
わたしは香りを通して再び言葉に出逢います。
アロマテラピーをめぐる歴史や文化。
身体や脳の仕組み、化学。
植物と人の物語。
お客さまの体調を伺って精油を選ぶとき。
こどもたちとワークショップであそぶとき。
季節やイメージをブレンドに託すとき。
そこには言葉がありました。
言葉を伴って豊かになっていく世界でした。
そうしてずっと、香りと言葉の不思議な関係は
ひつじやの大切なテーマです。
星の王子さまは「だいじなことは言葉にならない」といいます。 赤毛のアンは「名前って大切だわ」といいます。 ふたりとも、香りを愛しています。 空気に溶けては消えていく、儚い香り。
わたしたちはそれを、 心のままに味わうこともできる、 美しい表現で詠いあげることもできる、 言葉の上に築き上げた、科学という文化の上に分け合うこともできる。
香りは、言葉を必要としない脳の部分に届くのだといいます。
言葉を必要としない、という概念すら、言葉があるからこそ成立しています。
詩という作法は、
同じ世界に暮らす一人ひとりが、
違うものを眼に写しているのだということを教えてくれます。
同じ言葉を使う一人ひとりが、
違う世界を描けるのだということを教えてくれます。
それは、香りに本当によく似ています。