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【精油図鑑】柚子

2020年の年賀ブレンド

ただいま。はじめまして」に登場した柚子の香り。


実は、

使おうかやっぱりやめようか

最後まで悩んだ精油でした。



なぜなら、

2019年の「風と、くるり。」にも

柚子を使っていたから。


なんか去年とかぶってるみたいになっちゃうかなーー

と、思ったのです。



柚子をはずして

マンダリンにしてみたり、

オレンジ・スイートにしてみたり…

はたまた何種か合わせてみたり…

まったく柑橘系じゃない方向性を考えたり…


してみた結果、




 いや、やっぱ柚子だよ!


 タッグを組んでるメンバーが全然違うし、

 それゆえ全体のなかでの立ち位置も違うし、


 なにより

 おなじ柚子という素材を用いているけれど、

 また違った方向から見て決めたから

 OK!!かぶってない!



と、やっぱり使うことに決めたのでした。




植物が生きるために作り出した精油には、

いろんな要素で出来ていて、

色んな香りの組み合わせで、

いろんな一面を持っています。


決まり切った一対一対応ではなくて、

一人の人のいろんな面が見えてくるみたいに

香りと向き合っていけるのが

アロマテラピーの楽しさだなあ、

なんて再確認しつつ。




「風と、くるり。」で柚子を選んだ理由は、

冬の寒さに負けずに走る元気なイメージ、

そして

”ゆうずう”が利く、という洒落がかわいいなーと思ったからです。


「ただいま。はじめまして」で選んだ理由は、

あったかくて明るいお日さまのイメージ、

それから、

実家のような安心感、昔話感、とフレッシュさのバランスです。


どちらも、

作用からの言い方だと”血の巡り”に着目してはいるんだけど

「風と、くるり。」は、どちらかというと免疫力

「ただいま。はじめまして」は、どちらかというと緊張緩和に

振っているかんじです。




”ゆうずう”が利くから‥‥

といって柚子湯に入る冬至。


その日は一番夜の長い日、

つまり、これから昼が長くなっていく日。

明るい方に向かっていく日。


それってなんだか、

お日さまのお誕生日みたい。



湯船に浮かぶまんまる黄色いゆずは、

どこかお日さまにも似ています。


 

柚子


[学名] Citrus junos


[和名] ユズ


[科名] ミカン科  [種類] 高木


[抽出部位] 果皮 [抽出方法] 圧搾法


[成分一例] リモネン、α-ピネン、チモール、ユズノン


[香り] 甘酸っぱさと穏やかな苦味を合わせもつ明るく優しい香り

 

実家のような安心感、昔話感、と表現した

どこか懐かしい香り。


ゆず湯のほか、和食の香りづけなどでもおなじみで、

そのせいか、柚子の精油は

ご年配の方や、アロマテラピーに馴染みのない方にも

喜んでいただけることが多いように感じています。



オレンジともレモンとも違う、

独特のノスタルジックな印象に欠かせないのが

ごくごく微量含まれる ユズノン® という成分。


どのくらい微量かというと、

プールに一滴たらしたくらい。

機械で感知できないくらいなのだそうです。

そしてそれを発見したのは、

なんと人間の鼻なのだそう。


(このエピソードに関して

 ひつじやも大好きな日本科学未来館のブログに

 長谷川香料スタッフの方のインタビューが載っています)


ほんのわずかな成分が無限の違いを生み出す香りの奥深さ、

そして

それを受け取る感覚の不思議に、

なんだかドキドキワクワクします。




また、

柚子精油は

ラベンダーなどに含まれるフローラルな香り成分

リナロール の含有率が

柑橘類の中では比較的多く、

香りにおだやかな印象を与えてくれています。


ゆずの香りを感じたときに、

爽やかさとともにどこか心落ち着く感じがするのは、

このおかげもあるかもしれません。


6~7割を占める リモネン という成分は、

血の巡りを助け体をあたためてくれるほか、

汚れを落とす力が強いことでも有名。



まさに、無病息災を願い身を清める

年末のお風呂にぴったりです。


そして、

くもりなくあかるく照らす、

お日さまにもやっぱりぴったり。



少しずつ陽が長くなっていく、新年。

あかるくやさしい、柚子の香り。


新しい毎日と、やがてくる春を思わせます。



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