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【ブレンド】ザボンの月

  • 執筆者の写真: 美央
    美央
  • 2017年10月5日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年8月3日


十五夜。

うさぎのシルエットがうかぶ、まぁるいお月さまは、 なんだか「おいしそう」という言葉がぴったり。


まるいモビールに精油を染み込ませて、吊るせばお月見気分。

とろーっとしたカスタードクリームだったり、 きんと冴えわたったレモンだったり、 しっとりなめらかなチーズだったり、

そして…

・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。

「ザボンの月」

☆ ベルガモット ・・・ 3 ☆ フランキンセンス ・・・ 2 ☆ クラリセージ ・・・ 1

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八戸名所 種差海岸に浮かぶ満月を、 「ザボンのやう」と表現した人がいます。

瑞々しい感性で自然を描いた詩人、草野心平。 彼の詩をイメージしながら、香りをブレンドしてみました。

 

「種差海岸」 草野心平

ごつい巌巌の突き出てゐる。

種差の入江入江には。

カレイ・カニ・ヒラメ・アハビ。

それは分る。

けれども泡だつ潮の近くの平地には。

広い美しい天然芝生。

放し飼ひの馬たちがそれを喰べてゐる。

大須賀の白浜にもどると。

もう一日の終りに近く。

海猫の一列は汀にたつて海を眺め。

鴉の一列はお尻を海に向けて並んでゐた。

(どうしてさうなのか。鳥たちの心理は分らなかった。)

そしてハマギク・アヅマギクの群生する突端に登つたとき。

ザボンのやうな満月が。

浮き上がつた。

 

うみねこや、カラスが列をなして見つめる先、 浮き上がる満月。

ザボンは「ぶんたん」とも呼ばれる柑橘類。 まんまるお月様みたいな、 まあるいおおきな、やさしい黄色です。

詩の中のザボンの月は、 フレッシュなシトラスのイメージというより、 砂糖漬けのような、シロップのような、コンポートのような、 うっとりとした香りに感じました。

やさしい甘みとやわらかな酸味、そしてほんのり酩酊感。


こちらは普賢院さんの写経カフェにお届けした「ザボンの月」のアロマポット。とろり感。

そこで、目指したのは、おいしい月見酒。

ザボンを浮かべた果実酒か、 はたまたまんまる満月みたいな純米酒、 エッグノックも似合いそう。

グラスの中に月を映して、ゆらめく水面は、 まるで海の景色をそのまま手ひらサイズにしたみたい。

きりっとした酸味とフローラルなやわらかさが同居するベルガモットは、 今宵のお月見カクテルのベースにうってつけ。

柑橘の中でも、リラックスできる香りに、 鳥たちもうっとり空を眺めます。

フランキンセンスは波に映る白い月明かり。 穏やかに、けれどほんのりと心躍る 月の光を浮かべたグラスです。

花々の群生する崖と、芝生から吹く風はクラリセージ 波を揺らして、月明かりを揺らして、夢見るような心地を運びます。 (ちなみにクラリセージのうっとり感は、  お酒を飲んでいるときの使用を控えたほうがいいと言われるほど)

なんだか宮沢賢治の「やまなし」のお酒を思い出すなぁ。

川に落ちてきたやまなしが、月明かりに照らされながら きらきら甘ーいお酒になって、 かにの子供たちがいいにおいの水の中を歩いていく、 だいすきな童話。

宮澤賢治を世に出したのは草野心平ともいわれてますね。

海辺の少し湿った風に、 ふんわり蜜のように溶けるザボンの月。

ほろ酔い気分で、味わってみてください。

(初出:2014/8/29 rewritten&archived:2017/10/5)

 
 
 

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