2017.12.14(木)~18(月)
「色と香りの彩時記展」@はっち3Fギャラリー3
「色と香りの彩時記展」の たのしみかた
1.「言葉」をたのしむ
それぞれの季節に、色と香りをめぐる言葉を添えました。
色と香りが奏でる物語への入り口です。
2.「色」をたのしむ
心に寄り添う色、思い出を呼び覚ます色、いつか纏ってみたい色…
ひとつひとつ、違う色の表情を味わってみてください。
3.「香り」をたのしむ
小さな箱の中に、自然の香りを閉じ込めました。
箱のふたを開いて、ゆったりと呼吸すると香りが感じられます。
4.「変化」をたのしむ
会場のいろんな場所に立って、ぐるりと周りを見回してみましょう。
立つ場所によって、角度によって、高さによって、
視点が変わると、いろんな風景が見えてきます。
それでは、ごゆっくりとおたのしみください。
色とアートのアトリエfeelさんとのコラボレーション展示です。
「四季」をテーマに、4つの色調と系統をインスタレーションしました。
季節は、誰にでも等しく訪れます。
けれど、その感じ方は無数に存在します。
わたしの冬とあなたの冬は、全く別のものかもしれない。
去年の冬と今年の冬は、おなじわたしにとっても、全く別のものかもしれない。
色と香りを寄せることで、わたしとfeelさんの共通の想いである
「一人ひとりの感覚を大切にすること」というメッセージを込めました。
この展覧会は、「空間そのもの」がひとつの作品です。
展示されている、ひとつひとつの色や香りは、
まぎれもなく自然からの贈り物で、わたしたちが作ったものではありません。
それらの素材を、どのように用いてどうやって届けるか、
それがわたしたちの作品です。
いわば「理論」を「表現」に翻訳していく試みでした。
わたしたちはこの展覧会を、写真に収めることができませんでした。
空間全体も、中央のオブジェも、見る角度によって全く表情が変わるからです。
また、どの香りを感じながら会場を見渡すかで、
全く印象は変わってきました。
視点の違いで景色が変わることを、楽しんでいただけたら嬉しいです。
たとえば同じ季節も、気持ち次第で見え方が変わってくるように。
中心にあるオブジェは、木を表現しています。
木は、季節によって色を変え、香りを変えます。
そして螺旋を描くように変化を繰り返しながら、
根を地に伸ばし枝を空に伸ばします。
人が季節を過ごしながら年を重ねていく様子に、とてもよく似ています。
(そしてWSで作るマンダラ(幾何学模様)の描き方にもよく似ています)
このオブジェにはfeelさんが『ツミアゲル』という名前をつけてくださいました。
以下はfeelさんが寄せてくださった言葉です。
「季節も、植物も木もいきなり、現れるわけではなく、
その前後がちゃんとあり、すべてはつながり、レイヤーになっている。
巡り重なり積み上がっていく
土台があるから高さも出る
そんなイメージです。」
繋がり、輪になる要素、
土台と高さという二軸は、
色や香りを考える上で必要不可欠な理論でもあります。
そしてこの展覧会は、feelさんとひつじやによる
「ひとつの視点」の提示です。
たとえば、
わたしたちは冬という季節に光への想いを見、
黄色と柑橘の香りでそれを表現しました。
一方でたとえば、
冬に氷の輝きを見出し表現することも、
春の足音を見出すことも、
きっとできるはずです。
そこにはきっと本当に、
無数の感じ方、無数の表しかたがあります。
ひとつの視点を提示することで、
一人ひとり違う感じ方に気付くきっかけになれたら、
こんなにうれしいことはありません。
彩時記は、一本の木の物語。
あなたの物語です。